うちの上司、仮に「田中さん」としましょう、は、典型的な「上に弱く、下に強い」人間です。仕事もできないのになぜかお得意様からいつもお声がかかるという運が強く、みてるだけならとても楽しい人間です。
うちの会社は所詮小さなプロダクションですから、「給与を決める」というのはとても大変な作業となっています。僕も田中さんとは散々もめました。
そんなある日の出来事です。
田中さんは取締役なので、給与についての決定をある程度下さなければいけません。その日は社長に給与についての方針を説明する日でした。
うちの会社はとても狭く、一番端にある社長のデスクでの話声が、その間逆にある僕のデスクまでまったく筒抜けといった状態です。
そんな状態なのに、その日はまた特に社長の声が会社中に響き渡っていました。田中さんはずっと社長につめられていました。その日までに決めなければいけない給与の金額に対しての提案がまったくなかったからです。
社長「なんで提案がないんだ」
田中「いや、給与の金額を決めるのは大企業でも難しい問題でして…」
社長「は?それをするのがお前の仕事だろ!」
田中「いや、でも、大企業でも難しいんですよ」
社長「お前は何を言っているんだ!誰がそんなことを言ったんだ!」
田中「本に書いてありまして…」
社長「何だそりゃ!何を読んだんだ?」
田中「SPA!…です」
人生で初めて「ぎゃふん」といった瞬間でした。
ほかにもいろいろあるだろうに、言うに事欠いて「SPA!」ですか。
ということで、うちの会社のボーナスは「SPA!」で決まっています。
嘘のような本当の話ですが、お後がよろしいようで。








